トヨタ生産方式の基本思想と手法
トヨタ生産方式とは、トヨタ自動車が開発したムダを徹底的に排除する生産方式です。
この方式は、世界中の多くの企業や業界にも応用されており高い生産性と品質を実現するためのモデルとなっています。
基本思想は、「必要なものを必要なときに必要な量だけ造る」という「ジャスト・イン・タイム」と「異常が発生したら機械がただちに停止して不良品を造らない」という「自働化」の2つです。
ジャスト・イン・タイムとは、顧客の注文に応じて生産計画を立て各工程で必要な部品や材料を流れるように供給することで、在庫や運搬などのムダを省き効率的に生産する方法です。
この方法では、部品や材料の供給量や納期を「かんばん」と呼ばれる作業指示書で管理し、各工程で引き渡しや引き取りを行います。
このようにして、生産ライン全体でバランスよく生産することができます。
自働化とは、機械や装置に人間の判断力や知恵を付加することで異常が発生した場合に自動的に検知し、停止させる仕組みです。
この仕組みでは、「アンドン」と呼ばれる表示板で異常を知らせるとともに「コード」と呼ばれる紐を引くことでラインを止めることができます。
ラインが止まったら、担当者が原因究明や改善策を行い不良品の発生や再発を防ぎます。
このようにして、品質の向上や安全性の確保を図ることができます。
カイゼンでは、「現状に満足しない」「問題はチャンスである」「全員参加する」「小さな改善でも積み重ねる」などの原則に従って、現場の作業効率や安全性を見直し、改善提案や実施を行います。
カイゼンはトップダウンではなくボトムアップで行われるため、現場スタッフの意識や能力も向上します。